歯科におけるMEOとは?具体的な設定・MEO対策方法を徹底解説!

MEOは、歯科医院のオンラインにおける可視性を向上させるために不可欠なものです。この記事では、Googleマップなどの地図上に歯科医院をどのように表示させるか、他の歯科医院との差別化を図るための具体的な設定方法・効果的な対策をご紹介します。
目次
そもそも「MEO」とは?
MEO対策を行わないと、例えば近隣に住む患者が「自宅から通いやすい歯科医院を探そう」とGoogle Mapで歯科医院を検索したときに、自院が表示されず集患の機会損失となります。
あるいは偶然自院の前を通った潜在的な患者が自院に興味を持ち、Google Mapで調べたときに情報が表示されず、機会損失となることもあるでしょう。
そのため、特に個人で開業した歯科医院においてMEO対策は重要で欠かせないものと言えます。
なおMEOはMap Engine Optimizationの頭文字を取ったものであり、似たものとしてSEO(Search Engine Optimization)があります。
歯科におけるMEO対策の方法
歯科医院がMEO対策を行うには、以下のような方法があります。
- Googleビジネスプロフィールを設定する
- Google口コミを収集する
それぞれ具体的な進め方と併せて見ていきましょう。
Googleビジネスプロフィールを設定する
Googleビジネスプロフィールとは、Google検索やGoogleマップ上で店舗情報をどのように表示するかを管理できるサービスです。そのため、「MEO対策=Googleビジネスプロフィールを最適化させること」とも言えます。
例えばGoogleの検索バーに「近くの歯科医院」と入れて検索ボタンを押してみましょう。近隣のさまざまな歯科医院が、口コミ評価や所在地、診療時間等と併せて表示されます。
これはスマートフォンのGoogle Mapの検索バーにおいても同様です。歯科医院名やその情報と併せて電話ボタンが表示されすぐ電話できたり、経路をすぐに調べられたりします。
これらは当然、開業すれば自動的に設定されるものではありません。医院のホームページ情報から自動的に作成されることもありますが、誤った情報が記載されてしまう可能性もあります。
患者にとっては、検索結果に出てこない歯科医院は存在しないことと同じです。
Googleビジネスプロフィールは、無料で一通りの機能を使うことができます。周囲に全く歯科医院が無い、意図的な集患は一切不要という特異的なケースでなければ、MEO対策として設定しておく他ないでしょう。
1. ビジネス名の設定
まずはGoogleで「Googleビジネスプロフィール」と検索してみましょう。Googleビジネスプロフィールの公式サイトが表示されます。「今すぐ管理」ボタンを押して、Googleビジネスプロフィールの設定を開始します。
まず、ビジネス名を設定するように表示されます。ここには「〇〇歯科医院」「××クリニック」など、医院名を設定します。
ここでの注意点は、「医療法人△△会××歯科医院」などと正式名称を長々と記載せず、一般名として「××歯科医院」とシンプルに記載することです。
なぜなら検索結果として表示される際、その表示スペースは限られているからです。患者が検索時に主に使用するスマートフォンでは、テキストが表示されるスペースが限られており、長いビジネス名だと冒頭の数文字しか表示されない可能性があります。
2. ビジネスの種類・カテゴリの設定
ビジネス名を入力し次へ進むと、ビジネスの種類を選択するよう表示されます。歯科医院はオンライン小売店や非店舗型ビジネスではないため、「店舗」を設定します。
その後ビジネスカテゴリの設定画面に移ります。ここでは「歯科医院」と入力するのが一般的ですが、矯正専門の歯科医院であったり矯正を売りにする歯科医院であれば、「矯正歯科」等と設定するのも効果的です。
この項目は後から変更することもできます。
3. 所在地・電話番号・ホームページ設定
次に歯科医院の住所を入力し、Google Map上で正確に表示されるようピンの位置を調整します。そして歯科医院の電話番号と、ホームページの設定も行いましょう。ホームページがまだ完成していなければ、省略することもできます。
その後設定した電話番号で指定のコードを受け取り、入力することで、オーナー確認(本人確認とほぼ同義)が行われます。
4. 診療時間の設定
Googleビジネスプロフィールにおけるこの項目は、患者が受診を検討する際にとても重要な情報です。
例えば「急きょ今から受診したい」という患者にとっては特に重要です。また個人・仕事の予定との兼ね合いを見ながら初診日を検討している患者にとっては、他の歯科医院にするかどうかを決める要素となります。
曜日ごとの正確な診療開始・終了時間を入力し、診療時間も常に最新の状態に更新しておきましょう。なお、このあたりまでくると、適宜設定をスキップして後から設定することも可能です。
5. ビジネスの説明の設定
ここで設定した文章は、検索結果と併せて表示されます。
Googleによると※、歯科医院であれば以下のような内容を記載すると良いようです。
- 取り扱っている診療科、特長
- 自院の売りや独自のセールスポイント
- 自院の紹介、由来や歴史など
- ユーザーが参考にできるようなその他の情報
※参考:Google マップ上に表示されるビジネスの概要の種類
なお説明文にURL等を記載することはできず、全角375文字(半角750文字)以下という文字数の制限があります。
6. 歯科医院の写真・動画の設定
Googleビジネスプロフィールに表示させる、写真や動画を設定します。
このステップも他と同様にスキップすることができますが、写真や動画が設定されている歯科医院とそうでない歯科医院では、前者の方がはるかに来院のハードルが低くなるでしょう。
わざわざインターネット上で調べてから来院するのは、比較的慎重派の患者といえます。院内の様子が写っていたり、歯科医師やスタッフの顔が見えていたりすると、そのような患者も来院しやすくなります。
7. 予約取得のためのリンク設定
一通りの設定を終える、あるいはスキップして最後の画面まで行った後、より細かな情報の設定が可能になります。設定しておくべき項目をいくつかご紹介します。
まずオンライン予約を受け付けている場合、予約取得のためのリンクを設定しておきましょう。「予約」から行えます。
8. その他詳細設定
下記はすべて「プロフィールを編集」から設定することができます。
- 開業日の設定
- ソーシャルメディア(SNS)の設定
- バリアフリー情報の設定
- 子どもに関する項目の設定
- 駐車場の設定
Googleビジネスプロフィールで開業日を設定すると、開業日の90日前から検索結果に表示されるようになります。これは言い換えると、開業前であってもGoogleビジネスプロフィールを設定し表示させられるということです。
また自院のSNSアカウントがあれば、そちらもGoogleビジネスプロフィールに登録しておきましょう。特に若年層の患者は、ホームページよりもSNSを見て他院と比較したり、来院を決めたりすることがあります。
加えて自院がパリアフリーで車椅子の方も来院しやすい環境であったり、小児歯科などで授乳室を設けている場合は、いずれも設定しておくべきです。他院と比較検討する際の重要な要素となります。
都心部ではなく住宅街や地方に位置する開業歯科医院であれば、駐車場の有無も設定しておきましょう。特に小さい子ども連れの場合、通院は電車よりも自家用車の方が楽という声がほとんどです。こちらも他院と比較検討する際の重要な要素となります。
Googleの口コミを収集する
MEO対策としてGoogleビジネスプロフィールの設定が済んだら、Googleの口コミ収集も行いましょう。
例えば重要な取引先を連れて行く際のような、「絶対に失敗できない」会食のお店を比較検討する場合には、口コミが良いお店は信頼でき来店につながりやすいですよね。歯科医院においても同様で、良い口コミがあると潜在的な患者の来院につながりやすいといえます。
また良い口コミが3件ある歯科医院と100件ある歯科医院では、後者の方が多少星の数(5段階評価を示す★の数)が少なくても来院につながりやすいでしょう。星の数だけでなく、口コミ数もMEO対策において重要な指標となります。
Googleの口コミを増やす方法
では具体的にどのようにGoogleの口コミを収集するかですが、例えば以下のような方法が挙げられます。
- 治療後に口頭で患者に依頼する
- オンライン予約取得後のフォローメールで依頼する
- 口コミ投稿による謝礼を用意する など
「Googleの口コミを投稿してくれたら歯ブラシ1本プレゼント」「Google口コミを投稿してくれたらクリーニング1回無料」などといった謝礼はよくある例です。
得られたGoogleの口コミには可能な限り返信する
単に口コミ数を増やしていくだけでなく、患者からのフィードバックに積極的に対応することも、潜在的な患者に「この歯科医院は患者の意見を大切にしている」という印象を与えます。
例えば良い口コミが書かれれば「口コミ投稿ありがとうございます。〜〜〜」と返事を書いたり、悪い口コミが書かれれば「この度は不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。◯◯の改善のために善処いたします。〜〜〜」等と書きます。
悪い口コミがあってもそれに真摯に対応する姿が見られれば、「いつもはそうではないのかも」「口コミを書いた人がそう感じただけかも」と思ってもらいやすいです。
MEO対策という観点で見ても、口コミ評価が高く口コミ数も多い歯科医院は、検索結果として優先的に上位に表示されます。
口コミ収集を地道に取り組んでいくことで、自然と口コミ数も増えていきやすくなります。
歯科におけるMEO対策における留意点
歯科におけるMEO対策の方法がわかったところで、MEO対策を効果的に実施するための留意点も把握しておきましょう。
NAP情報は統一する
NAP情報とは、以下3つのことです。
- Name(歯科医院名)
- Address(住所・所在地)
- Phone(電話番号)
Googleビジネスプロフィール、公式ホームページ等、オンライン上に掲載している上記の情報は必ずすべて一致させておくようにしましょう。
上記は頻繁に変わるものでもないため、多くの場合意識しなくとも統一されます。しかし、継承あるいは居抜き開業により「住所と電話番号は同じだが医院名が変わった」という場合は注意が必要です。また移転開業により住所が変わった際も、忘れずにすべて変更するようにしましょう。
NAP情報の不一致は、検索エンジンにおける信頼度低下を招きます。つまりNAP情報が一致していないと、患者が検索した際に下位に表示され見つけてもらえない可能性が高まります。
Googleが提唱する3要素を確認する
Googleでは、地図上で検索された際の表示順を決定する際に、関連性・距離・視認性の高さの3つの要素を考慮しています。
1. 関連性
歯科医院が設定したGoogleビジネスプロフィールが、検索を行なっている潜在的な患者の検索キーワードとどれだけ関連性があるかをGoogleは考慮しています。
例えば「渋谷駅 歯科医院」と患者が検索したとき、渋谷駅付近に位置する歯科医院の情報は関連性が高いと見なされます。
しかし「渋谷駅 矯正歯科」と検索された場合には、Googleビジネスプロフィールに矯正歯科であることを情報として設定している歯科医院のほうが関連性が高いと見なされるでしょう。
このように、自院の患者となり得る検索者の求めるニーズと一致する・関連する情報を、設定内容に盛り込めているかどうかは重要なポイントです。
こういった部分は、Googleビジネスプロフィール設定時に適切なビジネスカテゴリを選択したり、正確で細かな説明文を設定することでパフォーマンスがより向上します。
2. 距離
Googleは、検索者から歯科医院までの距離も加味して結果を表示させています。例えば北海道で患者が「ABC歯科医院」と検索したとき、沖縄県にある「abc歯科医院」よりも北海道内にある「エービーシー歯科医院」の方が優先的に上位に表示されます。
患者側が位置情報をオフにしている場合はこの限りではありません。
3. 知名度の高さ
その歯科医院がオンライン上でどれだけ知名度があるかも重要です。口コミの数や評価の質、Googleビジネスプロフィールに設定してある写真や情報量・質などが評価のポイントとなります。
またGoogleの評価に限らず、歯科医院の視認性が高まることで潜在的な患者の目に留まりやすくなり、結果的に新規患者の獲得へとつながりやすくなります。
適切なキーワードを選定する
MEO対策における「適切なキーワードを選定する」とは、「潜在顧客である患者がどのようなキーワード(言葉)で自院を検索するか」を想定することです。
例えば「ABC歯科医院」や「ホワイトニング」と検索すると、基本的には全国にあるABC歯科医院やホワイトニングを取り扱っている歯科医院が表示されます。
そのため患者が「札幌 ABC歯科医院」「都内 ホワイトニング」等と地域名を含めて検索した際に、自院が検索結果に表示されるようにしておくことが重要です。
このように、自院のエリアや医院名、得意とする診療科等を含めた適切なキーワードを選定し、Googleビジネスプロフィールに適切に設定しておくことで、検索時に関連性が高いとしてより多くの患者にリーチすることができます。
情報は常に最新のものへ更新する
歯科医院の情報は常に最新の状態に保つ必要があります。電話番号が変わることはほとんど無いと考えられますが、例えば診療時間の短縮や問い合わせ先のURL変更といったことは、どの医院においても起こり得ることです。
現状と異なる古い情報は、せっかく検索によりGoogleビジネスプロフィールを見に来てくれた患者を混乱させてしまいます。そして最新情報に更新されていないということがわかった際には、「信頼できない歯科医院」と思われる可能性が高いです。
また信頼の問題だけでなく、Google検索エンジンは最新の情報が提供されている情報元を好みます。そのため定期的な情報の確認・更新は、検索結果の表示順にも影響を与えます。
特に休診日等については、新規患者が初診予約を取る際の重要な指標となるため速やかに反映させましょう。
まとめ
歯科医院にとってMEO対策は、地域社会における認知度を高め、新たな患者を引き寄せるための重要な施策です。適切なMEO対策を行うことにより、Google検索結果において上位に表示され、他の歯科医院との差別化を図ることもできます。
MEO対策により新規患者を得られるようになったら、来院から治療開始までのフローも検討する必要があります。例えば予約が電話でしか取れない、その電話もなかなかつながらない、会計には現金しか使えない等時代に合っていない歯科医院では、せっかく初診カウンセリングまで行き着いた患者も離れていってしまいます。
ApotoolBox for Dentistの「診察券アプリ」を導入すると、患者はアプリで予約の取得や変更が簡単に行えるようになります。また紙の診察券が不要になり、来院時はQRコードを読み取るだけで受付が完了するため、患者の負担が軽減されさらに来院のハードルが下がります。
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