歯科衛生士の平均年収は【低いor高い?】資格で収入UPを狙う方法まで解説

歯科衛生士の平均年収は低いと表現されることが多く見受けられますが、本当にそうなのでしょうか?実際のデータを基に、平均年収の実態や他の医療職との比較、収入をアップさせる具体的な方法を解説します。
さらに、資格取得や転職といったキャリア戦略を活用し、平均年収を向上させる具体的な方法についても詳しくお伝えします。あなたの努力が正当に評価される働き方を、一緒に考えていきましょう。
目次
歯科衛生士の平均年収の実態
歯科衛生士は全国各地で需要が高く、求人倍率は22.6倍※と圧倒的な売り手市場に位置しています。
そんな魅力的な職業である歯科衛生士の平均年収や月収は、どの程度に設定されているのでしょうか。 ここでは、公的データを基に平均年収の実態を詳しく掘り下げていきます。
歯科衛生士の平均年収は404万円
歯科衛生士は、歯科医院や病院などの医療現場で専門性を発揮する国家資格職であり、歯科衛生士の平均年収はおよそ404万円※です。
これには地域や勤務形態、経験年数といった要素が影響するため、一律ではない点も考慮する必要があります。
※参照:賃金構造基本統計調査(年収の算出方法:企業規模が10人以上を対象に、「決まって支給される現金給与額」×12+「年間賞与やその他の特別給与」の合計で算出)
歯科衛生士の平均月収は約29万円
おもに正社員として働く場合、歯科衛生士の平均月収は約29万円※です。これに加え、年間で約49万円※2のボーナスが支給されるのが平均とされており、これが歯科衛生士の平均年収の底上げに寄与していると考えられます。
※参照:賃金構造基本統計調査
歯科衛生士の平均時給は約1,700円
一方で、パートやアルバイトといった非正規雇用で働く場合は、平均時給が1,700円※となっています。
これは地域や勤務先によって差があり、都心部などでは少し高めの時給が期待できることもあるでしょう。また、勤務形態や勤務時間に応じて、時給がさらに増加するケースも見受けられます。
※参照:賃金構造基本統計調査(「1時間当たり所定内給与額」の数値を参照)
求人情報における歯科衛生士の平均年収は379万円
歯科衛生士の求人情報に目を向けると、平均年収は約379万円※と計算されています。
ただし、この金額は勤務地や勤務先の規模、さらに交渉力によって変動する余地が大いにあります。歯科医院ごとに差異が生じるため、自身のスキルや経験を適切にアピールすることが収入アップのカギとなるでしょう。
参照:求人ボックス給料ナビ(2024年10月に求人ボックス上で掲載されていた求人情報から算出した給料情報)
歯科衛生士の平均年収は低いのか?
歯科衛生士は、歯科医療の現場において重要な役割を果たす専門職であり、その収入についての評価はしばしば議論の対象となります。
「歯科衛生士の平均年収は低いのではないか?」という声も耳にしますが、この問題に関しては、他の業種や資格職と比較することで、より明確な見解を得ることができます。
女性全体の平均年収との比較
女性全体の平均年収は約314万円※1であり、歯科衛生士の平均年収は約404万円※2となっています。単純に比較すれば、歯科衛生士の収入は女性全体の平均よりも高いことがわかります。
しかし、歯科衛生士の業務は単なるルーチンワークに留まらず、口腔ケアや予防処置において高い専門性が求められる上、感染リスクを伴う作業が多いため、その責任の重さに対して収入が低いと感じる現場の声も少なくありません。
※参照1:令和4年分 民間給与実態統計調査
※参照2:賃金構造基本統計調査
他の医療・福祉系資格職との比較
歯科衛生士の平均年収を他の医療や福祉系の資格職と比較すると、次のような差異が見えてきます。
職種名 | 平均月収 | 平均年収 |
歯科衛生士 | 約29万円※ | 約404万円※ |
歯科技工士 | 約34万円※ | 約465万円※ |
看護師 | 約35万円※ | 約500万円※ |
保育士 | 約27万円※ | 約395万円※ |
この表からもわかるように、歯科衛生士の年収は、看護師や歯科技工士に比べると若干低いものの、保育士と比較すればむしろ高い部類に入ります。
また、給与は地域や勤務先によって差があり、特に都市部の歯科医院では求人競争が激しいため、歯科衛生士の平均年収が上昇するケースも珍しくありません。
※参照:賃金構造基本統計調査(年収の算出方法:企業規模が10人以上を対象に、「決まって支給される現金給与額」×12+「年間賞与やその他の特別給与」の合計で算出)
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歯科衛生士の平均年収は決して「低い」とは言えない!
総じて、歯科衛生士の平均年収は低いとは言い切れません。むしろ、同じ医療系資格職や福祉系職業と比較しても、安定した収入水準を確保していることがわかります。
もちろん、年収には個人の経験やスキル、勤務地、勤務形態などが影響しますが、全体的な傾向としては、歯科衛生士は高い専門性を持ち、それに見合った報酬を得ている職業であるといえるでしょう。
【年齢・勤続年数別】歯科衛生士の平均年収
年代 | 平均年収 | 月収 |
20~24歳 | 約330万円※ | 約26万円※ |
25~29歳 | 約390万円※ | 約29万円※ |
30~34歳 | 約410万円※ | 約30万円※ |
35~39歳 | 約380万円※ | 約28万円※ |
40~44歳 | 約400万円※ | 約29万円※ |
45~49歳 | 約520万円※ | 約36万円※ |
50~54歳 | 約460万円※ | 約33万円※ |
55~59歳 | 約420万円※ | 約30万円※ |
歯科衛生士の年収は、年齢や勤続年数によって顕著に異なります。例えば、若手の20~24歳では年収が約330万円※と、スタート段階でありながら安定した収入を得ていることがわかります。
経験を積んだ30代前半では、年収は約410万円※とさらに上昇し、40代には安定した年収が期待でき、約400万円※を維持しています。
特に45~49歳では年収が520万円※に達し、最も高い層に位置します。このことからも、歯科衛生士は年齢とともに収入が増加し、長期的なキャリア形成が可能な職業であることが伺えます。
そのため、「歯科衛生士の年収が低い」とする意見は、必ずしも現実に即していません。資格を活かし、経験を積むことで、安定した高収入を得ることができる職業といえるでしょう。
※参照:賃金構造基本統計調査(年収の算出方法:企業規模が10人以上を対象に、「決まって支給される現金給与額」×12+「年間賞与やその他の特別給与」の合計で算出)
学会認定歯科衛生士の資格取得で年収は上がるのか?
学会認定歯科衛生士の資格は、専門性を証明するだけでなく、歯科衛生士の平均年収増加のチャンスも秘めています。
取得後に給与が増加したとの報告もあり、キャリアの飛躍的な進展を促す手段として有効です。以下で詳細に解説します。
学会認定歯科衛生士とは
歯科衛生士としてのキャリアアップを目指す方々にとって、「認定歯科衛生士」という資格は特筆すべき選択肢です。
この資格は、日本歯周病学会や日本口腔インプラント学会などが定める、特定の各専門分野における高度な知識と技能を持つことを証明します。
学会認定歯科衛生士の取得は年収増加の可能性を秘めている!
では、この資格取得による収入の変化について検討してみましょう。結論として、認定歯科衛生士の資格は、年収増加の可能性を秘めた有力な選択肢といえます。
公益社団法人日本歯科衛生士会の調査によれば、認定資格を取得した歯科衛生士のうち、11%の方が「待遇の変化があった」と回答しています。
その中でも、特筆すべきは「給与が増加した」という割合が66.7%にのぼることです。このデータは、認定資格が給与の底上げに寄与する可能性を示唆しています。
さらに、専門性の高い認定資格を持つ歯科衛生士は、求人市場でも有利な立場に立てるでしょう。超高齢社会の進展に伴い、在宅療養や周術期口腔機能管理といった専門分野における需要は増加傾向にあります。
これらの分野で認定資格を保有することは、歯科医院や病院、訪問診療施設などでのポジションをより有利にし、長期的なキャリア構築に寄与するでしょう。
ただし、認定資格を取得するためには、一定の実務経験や研修履歴が求められるため、計画的な取り組みが必要です。
また、資格取得後に得られるメリットを最大限活用するためには、学んだ知識を日々の診療や患者対応に還元し、実績を積み上げることが重要でしょう。
歯科衛生士の平均年収を高める4つの方法
歯科衛生士が自身の平均年収を高めるためには、どのような工夫が求められるのでしょうか?ここでは、具体的な4つの方法について考察します。
1.資格取得やスキルアップに努める
資格取得やスキルアップは、歯科衛生士としての市場価値を向上させるための基本です。特に、学会認定歯科衛生士などの専門資格を取得すれば、求人市場での競争力と付加価値が高まり、月収や平均年収の向上が期待できるでしょう。
また、トリートメントコーディネーター(TC)やホワイトニングコーディネーターといった他分野の資格を取得することで、治療の計画や患者対応におけるスキルを高めることが可能です。
これらの専門性は歯科医院から高く評価され、結果的に平均年収の向上につながるでしょう。
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2.業務範囲を広げる
業務の幅を広げることも、平均年収の増加に寄与する方法です。例えば、訪問歯科診療や摂食嚥下リハビリテーション、在宅ケアなど、多様な分野での経験を積むことで、新たな価値を提供できるようになります。
また、チームの一員としてのスキルを磨くことも効果的です。これらの取り組みにより、職場での貢献度が高まり、昇給や役職手当の支給につながる可能性があります。
3.給与が高い職場へ転職する
転職は、即時的に平均年収を引き上げる有力な手段です。特に、都市部や大規模な歯科医院、インプラントや矯正歯科を専門とするクリニックでは、給与水準が高めに設定されていることが多い傾向にあります。
また、求人情報を活用し、福利厚生や残業手当が充実している職場を選ぶことも重要です。定期的に求人市場をチェックし、自身のキャリアに最適な職場を見極めることが、収入アップへの近道となるでしょう。
4.フリーランスなど多様な働き方を検討する
歯科衛生士としての働き方を見直し、フリーランスや副業などの新たな選択肢を検討することも収入増加の一助となります。
フリーランス歯科衛生士として複数の歯科医院で勤務すれば、自由な働き方を実現しつつ、高い報酬を得ることが可能です。
また、セミナー講師やコンサルタント業務など、自身の専門知識を活かした収益源を確立することで、さらなる年収アップも目指せるでしょう。
まとめ
歯科衛生士の平均年収は約404万円で、その額は専門的な技能と高い需要を反映した結果といえるでしょう。
年齢やキャリアの蓄積に伴い収入は着実に増加し、特に45〜49歳の層では平均年収が520万円にまで達します。
収入の更なる向上を実現するためには、専門技術の深化や資格の取得、さらには業務範囲を広げることが有効な手段となります。
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