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患者に選ばれ続ける歯科医院へ!成功のための「歯科ブランディング」完全ガイド

コラム

「歯科ブランディング」と聞くと、大がかりな広告戦略や費用をかけたデザインを想像されるかもしれません。

実は歯科ブランディングとはもっと身近なもので、自院の理念、歯科医師やスタッフの「想い」を表現し、患者に共感してもらうための方法です。

競争が激化し、患者が多くの歯科医院の中から選ぶ時代において、ただ「良い治療」を提供するだけでは選んでもらえません。自院が「選ばれる理由」を明確にし、それを効果的に伝えるための方法こそが「歯科ブランディング」なのです。

本記事では歯科ブランディングの方法について、基礎から具体的な方法まで解説します。

歯科におけるブランディングとは

歯科医院を経営する歯科医師にとって、「患者に選ばれるにはどうすれば良いか」という問いは常に頭の中にあるのではないでしょうか。

競合が増え続ける現代において、ただ待っているだけでは患者は来てくれません。そこで重要となるのが、歯科医院のブランディングです。

歯科のブランディングが成功すると、患者は「治療はこの歯科医院で受けたい」「ここなら安心して任せられる」「他の人にも勧めたい」と強く感じるようになります。

結果として価格競争に巻き込まれることなく、ファンとなる患者を増やし、安定した経営基盤を築くことが可能になります。

歯科医院にブランディングが必要な理由

歯科医院にブランディングが必要な理由やその目的を、もう少し詳しく見ていきましょう。

競争の激化と差別化の必要性

コンビニよりも多いと言われる歯科医院の数。多くの歯科医院が高い技術を持ち、最新の設備を導入しています。

このような状況で、単に「う蝕治療ができます」とアピールするだけでは、他院との違いを伝えることはできません。歯科ブランディングによって、自院の強みや特色を明確にし、患者に選ばれるための差別化要素を示すことができます。

患者の医院選択方法の変化

インターネットの普及により、患者は多くの情報を手軽に入手できるようになりました。ホームページや口コミサイト、SNSなどを通じて、各歯科医院の雰囲気や院長の考え方、スタッフの対応などを簡単に調べることができます。

歯科ブランディングを通じて、これらの情報におおむね一貫性を持たせることができ、患者の来院へのモチベーションを高めることができます。

慢性的な歯科衛生士不足

歯科ブランディングは患者だけでなく、スタッフに対しても大きな効果を発揮します。自院のビジョン目指す方向性が明確になれば、スタッフは自分たちの仕事に誇りを持ち、モチベーションを高く持ちながら働くことができます。

現場において、特に歯科衛生士は慢性的に不足しています。それでありながら、彼女らは業務や診療の算定要件等に大きな影響を及ぼします。

歯科医院のブランディングが確固たるものになっていれば、歯科衛生士を中心としたスタッフ採用もスムーズに進み、理念に共感する優秀な人材の採用につながり、採用後の定着率向上も期待できます。

歯科医院におけるブランディングの方法

では具体的にどのように歯科ブランディングを進めていけば良いのでしょうか。実践的な3つのステップをご紹介します。

ステップ1:医院理念・ロゴ/ビジョンの策定

歯科ブランディングの土台を作るときにわかりやすいのは、まず自院の「なぜ」を明確にすることです。

例えば

  • なぜこの歯科医院を開業したのか
  • 自院を経営することで、なぜ・どんな結果を得たいのか
  • どんな患者・スタッフに来てほしいのか、それはなぜなのか

といった根本的な問いに向き合ってみてください。

このとき注意したいのは、誰にでも好感を持たれそうなターゲット層が幅広い歯科ブランディングは、逆に「誰にも響かない」ということも起こり得るという点です。

自院がどのような患者を一番サポートすることができるか、ターゲット患者像(ペルソナ)を明確にしましょう。

年齢・性別・職業・家族構成、そして口腔内に関するお悩みなどを細かく設定することで、その患者に響くメッセージや提供するサービスが見えてきます。

その上で、自院の理念やビジョンを言語化します。具体的には自身が目指す姿、自院が地域においてどのような立ち位置になりたいか等を言葉に落とし込みます。

策定した理念は、歯科医師が自分一人だけの胸にしまっておくものではありません。採用時や毎日のミーティング等を通じてスタッフ全員に共有し、日々の業務にどう落とし込んでいくかを話し合いましょう。

全員が同じ方向を向くことで、その先にいる患者が一貫した質の歯科医療を受けることができます。

ステップ2:ターゲット患者に響くものを深掘りする

ステップ1で定めたターゲット患者像が、例えば「30代の独身女性で、毎日仕事に精を出している方」であるとします。

こういった患者には、オンラインで24時間いつでも予約の取得・ 変更を行うことができ、立地も通院にも便利な場所(駅から近い等)にあるような医院が好まれます。

治療に関しては、多少費用がかかっても質が高く、長期的に見て信頼できる内容が好まれることが多いです。

院内設備であれば、例えば受付やパウダールームが清潔で洗練されており、アメニティが充実していることが響くでしょう。

それに対して、同じく30代の女性であっても、小さな子どもがいる女性がターゲットであればどうでしょうか。オンラインでいつでも予約取得・変更ができるというのは、同じく好まれます。しかし駅から近いことで駐車場が無いことは、敬遠される要因になり得ます。

また院内のパウダールームが充実しているかどうかよりも、キッズスペースの有無やおむつ替えスペースがあるかどうか、階段だけでなくスロープがありベビーカーでも通いやすいかどうか等が重視されます。

子どもの歯についても相談できる歯科医院であれば、自身の治療が終わっても子どもを通わせるなど、家族で長く通う理由になるでしょう。

このように同じ年齢層・性別のターゲット患者でも、家族構成ライフスタイルによって歯科ブランディングの内容は大きく変わってきます。

ステップ3:ターゲット患者へのアクション

自院の理念やターゲット患者像、それに合った強みやサービスが明確になったら、それらを実際の患者さんに届けるための具体的な方法を考えていきましょう。

ターゲット患者が「30代の独身女性で仕事に精を出す方」であれば、彼女たちが主に情報収集に利用する媒体を特定し、そこに合わせた情報を発信することが重要です。

例えば彼女らは、仕事の休憩時間や通勤中にスマートフォンで情報収集をするケースが多いと想定できます。そのため洗練されたデザインで、予約が簡単にできるホームページが非常に有効です。

またInstagramなどのSNSで、審美系の治療やホワイトニングの症例写真を提示したり、スタッフのプロフェッショナルな姿を発信したりするのも良いでしょう。治療の質やその長期的な価値を伝えることで、信頼の獲得を目指します。

一方で、ターゲット患者が「小さな子どもがいる30代女性」であれば、アプローチは大きく変わってきます。

例えばホームページにおいては、小児歯科に関する内容や子育て中のスタッフによるメッセージ等、母親から共感を得られるコンテンツを展開します。院内のキッズスペースやおむつ替えスペースの写真も必ず掲載しておきましょう。

予約システムも、子どもの急な体調不良に対応できるよう、オンラインで変更・キャンセルが柔軟にできることを強調すると喜ばれるでしょう。

このようにターゲットに合わせたメッセージを、ターゲットが利用する媒体に適切な形で発信することが重要です。自院の理念や強みを言語化するだけでなく、それをどのような方法で、誰に届けるかまで落とし込みましょう。

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歯科医院におけるブランディングのためのデジタルマーケティング

先述のようなステップを踏む中で見えてきた、歯科ブランディングに必要とされる各デジタルツールについて簡単に解説します。

ホームページ運用

歯科医院のホームページは、患者との初めての接点となることも多く、言い換えれば「医院の顔」です。患者はホームページを通じて医院の理念等を初めて知ったり、ホームページのデザインが初診予約を決める際の判断材料となったりします。

歯科医院のホームページを効果的に運用するためのポイントは以下の通りです。

情報に一貫性を持たせる

医院の理念やビジョン、ロゴマーク等歯科ブランディングで決定した要素を、ホームページ全体で一貫して表現しましょう。

患者視点でコンテンツを制作する

治療内容の解説はもちろん、治療の流れ・院内設備・スタッフ紹介など、患者が知りたいと思われる情報を掲載します。

特に予約の取得方法や医院へのアクセス方法は、迷わないようにわかりやすく記載することが重要です。

スマートフォンで読みやすいデザインにする

多くの患者がスマートフォンでホームページを閲覧するため、モバイルフレンドリーなデザインは必須です。

「パソコンからは整ったデザインに見えるが、スマートフォンで見ると見づらい、デザインが崩れて見える」ということはよくあります。

SNS運用

SNS運用は医院の日常やスタッフの人柄を伝え、患者との距離を縮めるための今や欠かせないツールです。

日々の診療風景やスタッフの働いている様子、院内セミナーの様子等をSNSで発信することで、患者は来院前に医院の雰囲気を知ることができます。

また歯に関する豆知識、セルフケアの方法等もSNSで定期的に発信することで、「この医院は信頼できる」という印象を深めることができます。

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MEO対策

MEO(Map Engine Optimization)は、Googleマップ上で検索された際に自院が適切に表示されるよう設定することです。

Googleマイビジネス上で、診療時間や自院の電話番号、ホームページのURLなどの基本情報を正確に登録・更新します。医院の写真をアップロードしたり、患者からの口コミに返信したりすることで、信頼性をさらに高めることができます。

「自宅から近い歯科医院が良い」「仕事帰りでも通いやすい歯科医院が良い」といった患者は、該当の歯科医院をGoogleマップで探すことが多いです。そのためMEO対策は、歯科ブランディングにおいてとても重要です。

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患者に選ばれ続けるためのスタッフ教育

歯科ブランディングの準備が整ったら、あらためてスタッフを含めた院内全体での意識を統一させる必要があります。

歯科ブランディングに成功し、新規患者が自院に訪れた際、最初に接するのは受付スタッフです。せっかく来院に至っても、受付での印象が悪ければ2回目の来院につながらない可能性もあります。

また受付をクリアした後、患者と主にコミュニケーションを取るのは歯科衛生士や歯科助手であることも多いです。

そのため、まずはスタッフ全員の接遇マナーを徹底しましょう。電話応対や受付での挨拶、患者への声かけ方法など、基本的な接遇マナーは歯科ブランディングを支える土台となります。

加えて、スタッフにも「自分たちの医院」という当事者意識を持ってもらうことで、一人ひとりが歯科ブランディングの担い手となり、より良い患者体験を生み出すことができます。

歯科医院におけるブランディングの継続的な運用・振り返り

歯科ブランディングは、一度構築したら終わりではありません。常に市場や患者のニーズの変化を見ながら、評価・改善を続けていくことが不可欠です。

新規患者数ホームページのアクセス数、SNSのエンゲージメント、口コミの内容などは定期的にチェックし、歯科ブランディング施策の効果を測定しましょう。

特に患者の声は、自院をより良いものにするための貴重な材料となります。定期的に患者アンケートを実施するのも良いでしょう。

まとめ

歯科医院経営を成功に導くための、歯科ブランディングの方法を解説しました。医院の理念を明確にし、ロゴマークやホームページ、SNSなどを通じて、一貫したメッセージを伝え続けることがファンとなる患者を獲得するキーとなります。

しかし実際にこれらの施策を行うとなると、なかなか手が回らないという先生も多いのではないでしょうか。

そこでおすすめしたいのが、業務効率化ツール「Apotool&Box for Dentist」です。予約の管理から患者情報の共有、スタッフ間のコミュニケーションまで、院内業務をクラウドで一元管理することで、日々の業務負担を大幅に軽減します。

業務が効率化されれば、患者一人ひとりに向き合う時間を増やすことができ、スタッフ教育やSNSのコンテンツ充実のための撮影等といった歯科ブランディングに注力する時間が生まれます。

また歯科ブランディングに限らず、院内業務の効率化は患者満足度向上にもつながります。待ち時間の短縮やスムーズな予約取得・案内を嫌う患者はいません。

Apotool&Box for Dentistに興味のある方はお気軽にお問い合わせください。


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