ツール導入後のリコール率60→90%に!患者さんの満足度向上にも繋がった笠井歯科医院様のアポツール活用術
笠井歯科医院様は「歯科治療を通じて地域の皆さんの歯の健康を守り、痛みなくおいしく食事ができる環境作りをサポートすることにより地域に貢献できる歯科医院を目指す」というコンセプトのもと、30年以上の実績を持つクリニックです。
「痛くない」「怖くない」治療を実現するために、患者さんへのわかりやすい説明と丁寧な対応をスタッフ全員が心がけています。
同クリニックでは3年ほど前より「Apotool & Box」(以下アポツール)を導入し、現場のスタッフによって構成されたアポツールチームが中心となって、日々業務効率化やサービスレベルの向上を実現しています。
今回は理事長・院長である笠井 雄太(かさい ゆうた)先生と、事務長である奥様の笠井 直子(かさい なおこ)様に、同クリニックでアポツールをどのように活用しているのかお話をうかがいました。
- 課題
- キャンセル率やリコール率が安定しなかった
- 以前利用していたツールはメッセージ送付数に限界があり、追加コストが発生したこともあった
- 書類の運用・管理コストを減少するためペーパーレス化を進めたかった
- 解決策
- 診察券アプリのご予約リマインド機能を活用
- Web問診によるペーパーレス化の推進
- Medical Boxの画像をスタッフ・患者さんと共有
- Medical Box Noteの活用による治療計画の共有と注意点の喚起
- 効果
- リコール率が60%から90%に向上
- 患者さんへのメッセージ送信コストが安定
- 写真とコメントで患者さんの理解度が深まり、治療への積極性が向上
- 患者さんの治療内容が明確になり、効果的な治療が実現
- カルテを探したり片付けたりする受付の負担が軽減
キャンセル・リコール率が不安定だった中、リマインドメールを送りたくてアポツールを導入
アポツールを導入する前は、クリニックにどのような課題がありましたか?
笠井(直)さん:アポツール導入前に利用していたシステムはリマインドメール機能がなかったため、キャンセル率やリコール率が安定しませんでした。これが、アポツールの導入を検討するきっかけでした。
アポツールのどのような点が良いと感じてご導入いただけましたか?
笠井先生:私は当初、アポツールの導入に悩んでいました。私としてはアポイントが確認できて、リマインドメールが送れれば十分だと思っていたので、アポツールは機能が多く、当院では管理が難しいのではないかと感じたからです。
しかし、統計の管理やさまざまなメールの管理もできることを考えると、導入する価値があるのではないかという意見を受けて、導入を決めました。
笠井歯科医院 院長 笠井雄太先生
アポツールにはさまざまな機能が含まれていますが、導入後に特に実現したかったことについてお聞かせください。
笠井(直)さん:まず、ご予約のリマインドメッセージは絶対に送りたかったです。当時、LINEとの連携や診察券アプリの利用はまだ主流ではありませんでしたが、私は月額利用料内でメッセージを無制限に送ることができる診察券アプリに非常に惹かれていました。
笠井歯科医院 事務長 笠井直子様
笠井先生:私は診察券アプリよりLINEの方が良いと考えていました。LINEは多くの人が常に使っているツールなので、リマインドが届けば、患者さんはすぐに予約を確認できます。一方で、診察券アプリはインストールしてもわざわざ見ないのではないかという懸念がありました。
それでも、「やってみなければわからないからやってみよう」ということで試した結果、患者さんからは非常に好評でした。患者さんが診察券アプリのインストールに対して抵抗感があるかと思っていたのですが、今や90%ほどの普及率となりました。
メッセージ送信機能とWeb問診機能がお気に入り!ペーパーレス化の促進にも寄与
アポツールで気に入っている機能があれば教えてください。
笠井(直)さん:事務長の立場としては、メッセージ送信機能がお気に入りです。診療メニューに紐づけて診療前後のメッセージを送ることができて、登録さえしておけば自動で送信されるので、送り忘れが防げるのが便利です。
また、Web問診も自動で送れるので、ペーパーレス化を進めている当クリニックにとっては非常に助かっています。返信内容を事前に確認できる点も便利です。
また、診察券アプリを通じてクリニックの情報を送ると、反応があり、患者さんが見てくれていることを実感しています。
Medical Boxを活用した写真へのコメント添付が患者さんに大好評!治療の経過を可視化することで治療に対する意識が向上
Medecal Boxをどのようにご活用されていますか?
笠井先生:Medical Boxは院内での情報共有に非常に役立っています。毎週水曜日に1時間の勉強会を開いており、スタッフがiPadを持参してMedical Boxに格納している患者さんの口腔内写真などを見ながら話をします。画像を使うことで細かい点まで確認でき、詳細な議論が可能です。
また、Medical Boxを利用して、スタッフが診療後に口腔内写真やレントゲン画像を患者さんの診察券アプリにデータとして送信しています。
患者さんに画像を送ることで「こんな状態なんだ」と気づいていただき、患者さん自身の意識も高まっています。これが治療への意欲を高め「ここを治そう」という流れにつながりやすくなっています。
Medecal Boxの導入によって、どのような効果がありましたか?
笠井(直)さん:当クリニックは小児の矯正治療を受けている患者さんが多く、1~2ヶ月ごとに経過を追っています。毎回、撮影した写真をMedical Boxに送り、スタッフがコメントを添えて送信しています。
「こんな変化がありましたよ」といったコメントや「もう少し頑張ってみましょう」といった励ましの言葉も含まれています。これにより、親御さんが治療の進行状況を把握できます。前回、前々回からの変化を感じられるので、非常に有益だと思います。
私自身も子どもが当院で矯正を受けているので、治療の経過を知れることは非常に嬉しいです。「こういうところに気を付けましょうね」というコメントは特に心に響きます。写真だけでなくコメントが付いてくると、直接やり取りしたような感覚になります。
笠井先生:こういったやりとりにより、衛生士と患者さんのコミュニケーションが活性化され、お母さんたちから「コメントありがとうございます」という感謝の言葉をいただくこともあります。
この取り組みは、アポツールを導入してからすぐにはじめました。普通は新しいツールを導入するとスタッフから嫌がられることが多いですが、アポツールの導入はスタッフが主導で行ってくれました。
私が指示したからではなく「患者さんが喜ぶかも」と自発的にはじめてくれたので、本当にありがたいです。
松風アイスペシャルとの連携について、どのような点にメリットを感じていますか?
笠井先生:当初はWi-Fiを使ってデータをすぐに転送できるのが理想でしたが、Wi-Fiではデータが飛ばない問題が発生することがありました。
一番ミスが起きやすいのは、忙しいときにSDカードを抜き差しする場合です。例えば、読み込みの手順が複雑で、フォルダ分けなどの作業が必要であると、ミスが発生しやすくなります。
しかし、Medical Boxと松風アイスペシャルの連携では、基本的な手順は撮影後にSDカードを差し込んでOKボタンを押すだけなので、新人スタッフでも簡単に行えます。シンプルな手順により人的エラーを防げて、画像が消失する心配がないことは大きなメリットです。
誰が見ても、すぐに情報を把握できる点が素晴らしい!デジタルサブカルテMedical Box Noteでペーパーレス化を推進
Medical Box Noteの導入を決めた背景(抱えていた課題)を教えてください。
笠井先生:将来的には紙のカルテを廃止したいと考えていたこともあり導入を決めました。
保険の制約で印刷が必要な場合もありますが、サブカルテや患者さんの情報提供書、薬剤情報など、院内に共有すべき情報を効果的にまとめることが重要です。患者さんが来院した際、すぐに情報を取り出せ、スムーズに共有できる仕組みを実現したいと考えていました。
また院内のコミュニケーションや情報共有においては、ペーパーレス化が不可欠だと考えています。将来的に情報量が増えていく中で、紙では情報の検索が困難になります。そのため、フォルダ分けなどをして情報を整理し、適切に管理できるようにしたいと考えていたのが背景です。
Medical Box Noteの導入によって、どのような効果がみられましたか?
笠井先生:Medical Box Noteの導入による最大のメリットは、治療計画などを全員で共有できることです。患者さんの治療内容が明確になり、効果的な治療が行えるようになりました。
また、付せん機能を使うことで、金属アレルギーや特定の薬剤への注意事項などがすぐに見えるようになり、忘れるリスクがなくなった点も大きなメリットです。
以前、当クリニックでは、カルテを探したり片付けたりする受付の負担が大きく、毎日何十分もの時間を費やしていました。あとは、まれにカルテがなかなか見つからないこともありましたが、こういったことがなくなったのも大きな改善点です。
Medical Box Noteで便利だと感じていることがあれば教えてください。
笠井(直)さん:紙に直接書く感覚で入力でき、色分けもできる点がすごいですね。スタンプは対応にあたったスタッフの名前を、印鑑のように表示するために使っています。みんな楽しんでやってくれているようです。
あとはMedical Boxから画像を差し込めるのも良いですね。治療計画書に写真を添付することで、実際にどのような治療をしているかがわかりやすくなり、患者さんへの説明もしやすくなりました。
私は事務作業を別の場所で行っていますが、Medical Box Noteを見れば、患者さんが前回どのような治療を受けたのかすぐにわかります。予約の対応も素早くできて、とても便利です。
笠井先生:誰が見ても、すぐに情報を把握できる点が素晴らしいですね。また、以前はクリニック内でしかカルテを見られなかったので、クリニックの外にいると「翌日何をするんだっけ」と思ったときの確認が難しかったですが、今はiPadさえあればすぐに復習できます。隙間時間にすぐ確認できるのは、本当に助かります。
2年で登録率90%を実現!診察券アプリの登録数とリコール率が正比例
診察券アプリ「私の歯医者さん」に対する患者さんからの反応はいかがでしたか?
笠井(直)さん:最初は、こちらも患者さんに対して強く勧められず、すんなりとはいきませんでした。「私はそんなものはいらない」とおっしゃる方も一定数いました。
笠井先生:そのような状況だったため、「今後、診察券はなくなります」と案内を出しました。じわじわと診察券を廃止していくことを告知し、さらに「アプリを入れてもらえると診療状況の写真が見られます」と伝えました。これにより、患者さん同士の口コミが広がり、初診の方はほぼ全員アプリを入れてもらえるようになりました。
写真の提供割合が増えると、診察券を使っていた患者さんも「私もアプリを入れようかな」と考えるようになり、皆が使うなら自分も使おうという流れになりました。
どのくらいの期間で実現できたのでしょうか?
笠井(直)さん:アポツールを導入して3年弱、アプリを使いはじめたのはその半年後からなので約2年です。待合室で登録している患者さんを見て、他の患者さんも「私も入れよう」と思うようになり、徐々に増えていきました。
これまでは診察券に予約時間を書いていましたが、診察券がなくなると予約管理を患者さん自身で行う必要があるため、「スケジュール帳を持ってきてくださいね」と案内しました。
しかし、これを面倒だと感じた患者さんも多く、今では「診察券アプリの案内が来ていません」と尋ねる患者さんも増え、状況が逆転しました。
診察券アプリを導入したことでどのような効果が得られましたか?
笠井先生:最初は60%ほどだったリコール率が、現在は90%を超えました。以前は治療が終わると、3ヶ月後にメンテナンスのお知らせを患者さんへハガキで送っていました。次に、予約を取って帰ってもらう方法に変更してみました。
しかし、予約を忘れてしまう患者さんが一定数いらっしゃったため、SMSを送れるサービスも導入しましたが、効果は限定的でした。
そのような中で、アポツールを導入し、さらに診察券アプリも導入したことで、リコール率が向上していきました。アプリの登録率が上がるほどリコール率も上がったというのが現状です。
患者さんの利便性向上と職場環境の改善につなげたい!ささっとPayへの期待
ささっとPay導入により期待していることがあれば、教えてください。
笠井(直)さん:一番の期待は、小児の患者さんが親御さんと一緒に来院できない場合の決済です。お子さんに現金を持たせて窓口で支払うのは不安ですが、診察券アプリを使ってささっとPayで決済すれば、その場に親御さんがいなくても安心して支払いができます。
笠井先生:またクリニック側の問題として、最後の会計処理が残ると窓口を閉められず、就業時間が遅くなります。17時以降は受付を閉めて計算を済ませ、その後はささっとPayのみで決済することで、スタッフの帰宅時間を遅らせずに済むことを目指しています。
ささっとPayの導入にあたり、特に17時以降の時間帯はアプリ決済かクレジット決済のみとすることを患者さんに伝えています。キャッシュレス決済を徐々に進めていき、評判が良ければさらに広げていく予定です。
その他、アポツールやMedical Box Noteで今後やりたいこと、今やろうとしていることを教えてください。
笠井(直)さん:今後、有料オプションで同意書を書いてもらったものが、そのままMedical Boxに保存され、患者さんに送信できるようになる機能が追加されるというお話を聞いたので、これはぜひ使いたいです。
今までは、Medical Box Noteに同意書のテンプレートを作って書いてもらい、その後、患者さんに控えとして送る手順が面倒でした。画面をスクショして送るなどの手間がかかっていたので、この機能が追加されることで、業務が大幅に効率化されると期待しています。
笠井歯科医院様の笠井先生、笠井(直)さん、スタッフの皆様、ご多忙のところご対応いただき誠にありがとうございました。クリニック内にアポツールチームを結成し、スタッフ主導で活用方法を検討・実践している点に非常に感銘を受けました。今後もアポツールをご活用いただき、生産性の向上やサービスの質向上につなげていただければ何よりです。
- Apotool & Box サポートセンター
- 平日 10:00~18:00
Tel:03-6403-4880
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笠井歯科医院
笠井雄太 先生
埼玉県春日部市
ユニット数:5
課題・目的
業務効率キャンセル管理ペーパーレス予約管理
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