【セミナー企画連動コラム】組織とスタッフマネジメントの失敗談（後編）

2024年10月2日

著者情報

濵田真理子

代表取締役

歯科衛生士教育機関を育成するトレーナーとしての教育と研修を受けながら臨床に携わる。
その後女性の起業への理解がまだ少なかった1994年に「歯科業界の中で、疾患を持たない患者が歯科医院に来院し続ける仕組みを作りたい」との思いから、エイチ・エムズコレクションを起業。
歯科医院に対して20年にわたる人材コンサルティングの実績を持ち、歯科医療スタッフ分野における人材育成の先駆者として活躍。

有限会社エイチ・エムズコレクション

こんにちは！
今回は、10月17日（木）19:30より開催いたします、
「歯科衛生士育成とマネジメントのヒント」セミナーの企画と連動して連載コラムをお届けいたします！

第2回目は前回に引き続き、「組織とスタッフマネジメントの失敗談」の後編をH.M’s COLLECTION　代表、一般社団法人エムズワークス　歯科衛生士の濵田真理子様にご執筆いただきました。
それでは、どうぞお楽しみください。

こんにちは。
歯科医療の未来を切り拓く幸せの導師、濵田真理子（はまだまりこ）です。
今回は前回に続き、経営30年の中で発見した心理的安全性の実現の取組み例をお伝えします。

1 ◆心理的安全性の重要性◆
2 ◆心理的安全性を取り間違えたポンコツ時代◆

◆心理的安全性の重要性◆

現代社会で注目されている心理的安全性です。
（心理的安全性という言葉は1999年に心理学者のAmy Edmondson氏によって提唱されました。）

この言葉を提唱した学者Edmondson曰く心理的安全性を、
「チームメンバーが、自分の意見や考えを自由に発言し、失敗を恐れずにチャレンジできる環境」
と定義しています。

◆心理的安全性を取り間違えたポンコツ時代◆

心理的安全性が高まると医療スタッフは自分の意見やアイデアを積極的に発言できるようになり、
チームのパフォーマンスや企業価値の向上につながると信じていましたが・・・

ここも単純に各スタッフに権限を与え自由にさせたことで・・・
言い放題や人間関係の小さいトラブルが多数発生するようになりました。

表向きは非常に賢いメンバー人に囲まれていたのでみんな賢く動いてくれていましたが・・・
仲間同士の不満やクレームを何時間も長電話で聞く私生活。

「幹部の●●さんを組織のために辞めさせて欲しい。」と、までの提案も受ける機会がありました。

結局、何が足りない？

私もどんどん経験も増えてくる、
スタッフとの年齢差が増えたら単純に雇用している人や報酬を支払う関係の仲間は
【ありがたい・かわいい】部分しか見えなくなってくる。

スタッフ同士でもめている理由も私にはたいした内容ではないなど・・・

尊重してきたつもりが結果的に自分が放置していたことで
仲間が混乱を起こしていたと痛く反省することになりました。

当時の状態は心理的安全性が高いとは言えませんでした・・・

仲間同士が信頼し合っているのはよくわかりました。
仕事面では順調そのものでした。

仲間同士が尊重し合っているという雰囲気は一部のスタッフの陰口を聞く限り不足していました。

仲間同士が対立しても、建設的な議論ができれば良いですが・・・
意見が対立すると何故か気まずい空気が生まれお互いに距離を取るという状況も生まれていました。

創業して20年を超えたあたりからは・・・

チームメンバーが、自分の意見や考えを自由に発言
年間数百件の仕事の種類をこなす中で、
私も会った事がないスタッフに報酬を支払う機会が増えました。
対策として当時のフロントスタッフにスタッフマネジメントのクラウドシステムの導入を伝えたところ・・・

「特に困っていない。」
「忙しいのに移行の作業にリスクがある。」
「面倒。」
「別料金をもらえれば。」

と、きっぱり断られました。

重要：自由に意見や考えを自由に発言は良い事ですが、
やると決めた事は【今やる・時期を決めてやる】を明確にしておかないと・・・
やるべき事な筈なのに【一部のスタッフによってやれない。】
という経営面で心理的にも経営的にも危険な状況が誕生してしまいます。
やらない選択肢を与えない上で意見をしっかり聞くことが大事です。

失敗を恐れずにチャレンジできる環境
マネジメント系のシステム導入に関して無計画でチャレンジを続けるスタッフを応援した結果、
使わないのにスタッフ人数分の契約を組んでいたことが発覚し、軽く数百万の損失もでる経験もしました。

重要：組織にとって必要な事とスタッフがやりたいことに大きな差が出る事があります。
戦略なしの経営は非常に怖いという経験を何度もしてきました。
戦う事を略すと書いて戦略と言います。
戦略なしのチャレンジはただの無謀です。
戦略は経営者が立案する、
その上で失敗を恐れずチャレンジさせてあげる環境づくりもやはり経営者の大切なお仕事です。
言うは簡単、実践は難しいですが意識をして続けるからこそ叶うことってたくさんありますよね。

今回のコラムの何かが先生方の未来のヒントになりますよう。
歯科に関わる全ての人が自己理解を深め、成長を続け、その人にとっての幸せな医療人としての人生を歩めますよう。
歯科医療の未来を切り拓く幸せの導師　濵田真理子でした🍒

次回、第3回目は「育成とマネジメントで必須の７つの秘訣～医療スタッフ育成とマネジメントで大切な課題と対策をお伝えします～」　です。

10月17日（木）19:30からオンラインセミナーで、
令和styleの歯科衛生士育成について濵田真理子様にお話していただきます。
セミナーでは質疑応答の時間も設けておりますので、
ぜひこちらのページより参加申し込みへお進みください。