歯科レセプトとは?業務内容とその流れ、役立つ資格について解説
目次
歯科レセプトとは?
歯科レセプトとは、歯科医院での治療後に作成する「診療報酬明細書」のことを指します。歯科医院が患者に提供した診療内容や使用した材料を詳細に記載し、保険請求を行うための文書です。
これは、保険者(健康保険組合など)に対して診療報酬を請求するために必要なもので、診療の内容や費用が正確に反映されるものになります。
歯科レセプトの重要性
歯科レセプトの重要性は、患者の健康保険適用の診療費を正確に請求し、適切な報酬を受け取ることにあります。
もし間違いや不備があれば、差し戻しを受けたり、減額された金額のみが報酬として支払われることもあるため、注意が必要です。
また、レセプトは診療の透明性を明らかにするものとなるため、監査や審査といった場面においても重要な役割を果たします。このように、正確なレセプト作成は、医療機関と保険者、そして患者との信頼関係を維持するためにも不可欠なものといえるでしょう。
歯科レセプトの業務内容と流れ
レセプトへの入力が必要な情報
レセプトの提出は、診察した翌月の10日前後までと決まっています。電子媒体による請求を行う場合には、毎月10日までが提出期日です。
期日までに提出が出来るよう、予め情報を埋める準備を進めていくことが重要です。
患者情報
レセプト作成において最も基本となるのが、患者情報です。これには、患者の氏名、生年月日、住所、保険証情報(保険者番号や被保険者証記号・番号)が含まれます。また、患者の診療歴やアレルギー情報も重要です。
診療内容
診療内容には、診療日、診療科目、診療の種類(初診、再診、検診など)、および具体的な治療行為が含まれます。これには、歯科治療の詳細な記録、使用した材料や治療方法が含まれ、各項目は所定のコードで記載されます。
使用材料とその費用
歯科治療において使用された材料(充填剤、クラウン、義歯など)の詳細とその費用もレセプトに含める必要があります。これにより、保険者が治療内容を確認し、適切な費用の支払いを行うことができます。
上記のような多くの情報を正しく記録するために、多くの歯科医院ではレセコン(レセプトコンピュータ)を活用しています。
レセコンを使うことでさまざまな項目が自動で記録されたり、診療報酬点数の計算が自動で集計されたりと、レセプト作成業務を大幅に効率化することができるのです。
さらには記入したデータのエラーチェック機能も備えられているため、入力ミスも発見しやすくなります。
レセプトの提出方法
提出方法は3つ。今後はオンラインによる提出が主流に
レセプトの提出方法には、紙提出と光ディスクによる提出、オンライン提出の3種類があります。
紙提出は、紙に印刷したレセプトを郵送または直接持参する方法です。光ディスクでの提出は、紙提出と比較すると効率的な手段ですが、物理的に破損するリスクを伴っています。
一方、オンライン提出はインターネット経由で提出する方法で、オンライン提出は、提出後の確認や修正が容易であることや、作成や提出にかかる時間とコストが削減できるメリットがあります。
厚生労働省は、2024年9月末までにオンライン請求への移行を実質的に義務化するロードマップを発表しています。
そのため、今後レセプトはオンラインによる提出方法が主流になると考えられます。
提出先とその手続き
レセプトの提出先は、各地域の保険者(健康保険組合、市町村の国民健康保険など)となります。提出手続きは保険者ごとに異なるため、提出方法や必要書類を事前に確認することが重要です。
提出後の流れ
レセプト審査のプロセス
レセプトが提出されると、保険者によって審査が行われます。審査は、提出されたレセプトの内容が適正かどうかを確認するプロセスであり、不備があれば修正や再提出が求められることがあります。
この審査には一定の期間がかかり、適正であることが確認されると支払いが行われます。
支払決定と支払日
レセプト審査が完了し、内容が適正と判断されると、診療報酬の支払いが決定します。支払日は保険者ごとに異なりますが、通常は月に一度の支払いサイクルとなっています。
支払決定の通知が届いたら、金額や支払日を確認し、適切に処理を行います。
ただし、前述した通り間違いや不備があれば、提出したレセプトを差し戻しを受けることになります。その場合は、誤った情報を修正し、再度提出しなければなりません。
歯科レセプトに役立つ資格
歯科レセプトの作成業務には正確さが求められるため、難しいと感じるスタッフも少なくありません。このパートでは、そんなレセプト作成業務に役立てられる歯科関連の資格をご紹介します。
レセプト作成業務に資格の取得は必須ではありませんが、もし資格を取得して必要な知識を得られれば、業務のスムーズな遂行に繋げられるでしょう。
役立つ資格①歯科助手資格
歯科助手資格は、歯科医院での業務を補助するための知識と技能を証明する資格です。歯科医師のサポート、患者対応、器具の準備・管理、診療記録の作成などを行います。
それらに伴った歯科診療の基本知識を身につけることで、診療内容の理解が深まり、正確なレセプト作成に役立ちます。
役立つ資格②医療事務資格
医療事務資格は、医療機関での事務業務を遂行するための知識と技能を証明する資格です。医療事務の業務には、レセプト作成、保険請求、患者受付、会計業務などが含まれます。
医療保険制度や診療報酬の知識を習得できるため、レセプト作成の精度向上に役立てられます。
役立つ資格③診療報酬請求事務能力認定試験(レセプト点検者資格)
診療報酬請求事務能力認定試験は、医療事務におけるレセプト請求の知識と技能を認定する資格です。この試験では、診療報酬の計算、請求書の作成、点検に関する知識が問われます。
レセプトの点検能力を高めることができるため、記載ミスや不備の検出がスムーズになります。また、保険請求に関する法規や規則の知識を深めることで、適切な請求が可能になります。
役立つ資格④歯科医療事務管理士(歯科医療事務技能認定試験)
歯科医療事務管理士は、歯科医療事務に特化した資格で、歯科診療報酬請求の実務能力を証明するものです。歯科診療報酬請求に関する専門知識を習得でき、歯科レセプトの作成が正確に行えます。
歯科医療特有の診療行為や使用材料に関する知識が深まり、精度の高いレセプト作成が可能になるでしょう。
まとめ
歯科レセプトの作成は、正確な内容の記録が求められる業務です。正確に記録がされていないと、差し戻しによる修正対応が発生したり、正しい金額が支払われなかったりといった事態が起こりえます。
そのため、歯科レセプトの作成を正確に行うためには、日頃のカルテ内容の記録も正確に行われることが大切です。カルテが正しく作成されないケースの要因には、例えば忙しい診療スケジュールのなかで記入時間が不足しているケースが考えられます。
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