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男性も歯科衛生士になれる!女性に比べて少ない理由から就職事情、メリットまで解説

コラム

歯科衛生士という職業は女性が大多数を占めていますが、実は男性でも十分に目指すことができます。近年、男性歯科衛生士の数が徐々に増加しており、その希少性ゆえに就職市場でのニーズも高まっています。

この記事では、男性歯科衛生士が少ない理由や就職事情に加えて、男性がこの職業を選ぶメリットについて詳しく解説します。

歯科衛生士としてのキャリアを真剣に考える男性の方々にとって、ぜひ参考にしていただきたい内容です。

歯科衛生士の男女比は約99%が女性


公益社団法人 日本歯科衛生士会が発表した「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」によると、令和2年3月時点での歯科衛生士の男女比は以下の通りです。

  • 女性:99.0%
  • 男性:0.4%

このデータからもわかるように、男性歯科衛生士が全体のわずか0.4%と、極めて少数派です。

これには歴史的背景や社会的要因が影響しており、歯科業界において男性歯科衛生士が依然として稀な存在であることを示しています。この背景については後ほど詳しく説明しますが、徐々に変化の兆しも見えています。

実際、 一般社団法人 全国歯科衛生士教育協議会 令和4年度調査報告によると、令和3年度には全国の歯科衛生士養成学校に通う男子学生の数が95名に達しました。

これは、平成24年度の21名から約4.5倍の増加を示しており、少しずつではありますが、確実に男性の志望者が増えているといえます。


男性歯科衛生士が少ない4つの理由

理由1:歴史的背景

男性歯科衛生士が少ない理由の一つとして、歴史的な要因があります。

1955年に改正された歯科衛生士法※1において、「女子」という文言が強調されるようになったことが、歯科衛生士=女性というイメージを強めた一因とされています。

しかし、2014年の法改正※2で「女子」という表記は「業とする者」に変更され、現在は法律上、性別による制限はありません。

※1参照:国立公文書館デジタルアーカイブ「歯科衛生士法の一部を改正する法律」
※2参照:e-Gov法令検索「歯科衛生士法」

理由2:教育機関での男性受け入れ態勢の課題

歯科衛生士養成校における男子学生の受け入れ態勢には、依然として課題が残されています。調査結果によると、男子学生の入学を受け入れている養成校は全体の68.8%※にとどまっています。

学校種別で見ると、専門学校では66.7%※、短期大学では68.8%※が男子学生を受け入れているのに対し、大学では92.3%と高い割合です。

在学中の男子学生数は年々増加傾向にあり、令和4年度には95名※に達しました。しかし、これは全体の在学生数24,529名※と比較するとまだ非常に少ない割合です。

この背景には、男子向け設備(更衣室やトイレなど)の不備や、実習先での受け入れ態勢の問題、さらには従来女性が多数を占めてきた職場環境への適応の懸念などが考えられます。

※参照:令和4年6月 一般社団法人 全国歯科衛生士教育協議会「歯科衛生士教育に関する現状調査の結果報告」

理由3:就職活動での障壁

歯科衛生士としての求人を探す際に、男性が直面する障壁も少なくありません。歯科医院や患者さんの間では、男性歯科衛生士に対する偏見や懸念が根強い場合があります。

例えば、「男性歯科衛生士を雇用した経験がない」「更衣室がない」といった理由で、採用側が男性歯科衛生士を敬遠するケースが見受けられます。

実際、男性歯科衛生士は非常に少ないため、職場環境が十分に整備されていないことは原因の一つであるといえるでしょう。

理由4:給与面での不安

歯科衛生士の平均年収は約382万円※とされています。医療職として安定しているものの、決して高収入とはいえないため、特に家庭を支える立場となりやすい男性にとっては、給与面での不安が大きいことがあります。

結果として、男性が歯科衛生士の職業を選ぶ際の障壁となっていることが考えられます。

※参照:求人ボックス 給与ナビ

男性歯科衛生士を目指す5つのメリット

このような壁に直面する一方で、男性歯科衛生士はその希少性から、職場内で「他のスタッフができないことを任される貴重な存在」として重宝されることも少なくありません。

ここでは、男性歯科衛生士を目指すことの具体的なメリットについてご紹介します。

1.高齢者支援で即戦力となりやすい

女性と比べ、男性が持つ身体的な強さは、特に訪問歯科の分野で大いに活かされることでしょう。

超高齢社会を迎える日本では、訪問歯科の需要が急増しており、重い器材の運搬や高齢者の体を支える力仕事が歯科衛生士にも求められています。

このように、力仕事が得意な男性歯科衛生士は他のスタッフに比べて貴重な即戦力となる場面もあるため、患者さんへのサポートの幅も広がりやすいです。

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2.独立が可能

歯科衛生士としての経験を積むことで、将来的には独立開業のチャンスが広がります。

例えば、予防に特化したオーラルケアサロンの開設や、歯科衛生士養成校での講師活動、さらには経営アドバイザーとしての活躍など、歯科衛生士の専門知識と経験を活かした自由なキャリアパスが考えられます。

3.男性ならではの職人気質を活かせる

男性特有の職人気質や物事に対する深い集中力は、細やかで緻密な作業が求められる歯科衛生士の仕事に非常に適しています。

これらの特性があることで、患者さんやスタッフから厚い信頼を得られやすいです。繊細で高度な技術力を発揮し、安心感を提供できる点は大きなメリットとなるでしょう。

4.幅広い就職先と安定した収入を確保できる

男性歯科衛生士は一般的な歯科医院だけでなく、体力の問われる総合病院や高齢者施設など、多様な就職先が選べます(具体的な就職先は後述いたします)。

また、歯科衛生士は景気の影響を受けにくく、安定した給与水準を維持できる職業です。

さらに、男性歯科衛生士は一般的に妊娠・出産などのライフイベントによるキャリアの中断が少ないため、キャリアの進展が比較的スムーズで、昇進のスピードが速くなる傾向があります。これにより、将来的な年収の向上も期待できるでしょう。

5. 女性が苦手な患者さんへの柔軟な対応が可能

女性の歯科衛生士に対して緊張感や抵抗を感じる患者さんも少なからず存在します。

男性歯科衛生士が対応することで、その不安を和らげ、よりリラックスした治療環境を提供できるのは大きなメリットでしょう。

将来的な求人増加は期待できる?

将来的な男性歯科衛生士の求人増加は、十分に期待される状況にあります。歯科衛生士の有効求人倍率は非常に高く、2022年度の就職者に対する求人倍率は驚異の22.6倍※です。

これは、1人の歯科衛生士に対して約22件の求人があることを示しており、職に困ることがない売り手市場であることが明らかです。歯科衛生士を目指す男性にとっても、この求人状況は非常に有利といえるでしょう。

これまで男性歯科衛生士が少数派であった理由には、業界内での認知度の低さや伝統的な性別役割の影響が挙げられますが、近年では徐々に男性の需要が高まってきています。

特に、力仕事や高齢者対応といった分野では、男性の存在が歓迎される場面が増えており、今後もこの傾向が続くことが予想されます。

男性歯科衛生士は、男性ならではの特徴を打ち出すことで、就職先の選択肢を広げ、安定したキャリアを築くことができるでしょう。業界全体のニーズを背景に、求人の増加とともに収入面でもさらなる安定が期待されます。

※参照:令和4年6月 一般社団法人全国歯科衛生士教育協議会「歯科衛生士教育に関する現状調査の結果報告」

男性歯科衛生士の就職先6選

1.一般歯科医院

最も一般的な職場は地域密着型の歯科医院です。ここでは虫歯予防や歯周病治療、スケーリングといった基本業務が中心となりますが、患者との信頼関係構築が重要です。

男性歯科衛生士は数は非常に少ないため、スタッフ間でも貴重な存在となる可能性が高いでしょう。

2.大学・総合病院

高度な医療技術が必要な大学病院や総合病院では、外科的処置の補助や専門的な治療に関与する機会が多く、歯科衛生士のスキルが一層問われます。

男性は体力を活かし、物理的にハードな作業にも強みを発揮しやすいでしょう。

3.教育機関や行政

歯科衛生士養成学校の教員や、公衆衛生活動を担当する行政機関もキャリアの選択肢として注目されています。

次世代の歯科衛生士を育成する教育者としての役割は、職業全体の発展にも貢献する重要なポジションです。

4.介護・福祉施設

超高齢社会に伴い、介護施設や福祉施設での口腔ケアのニーズが急速に高まっています。

特に訪問歯科や介護施設内での業務では、体力とケア力が求められ、男性歯科衛生士の活躍の場が広がっています。

5.歯科関連企業

歯科用機器やデンタル製品を取り扱う企業で、営業や技術サポートとしてのキャリアを築くことも可能です。専門知識を活かして業界に貢献しつつ、多様なスキルを習得できる場です。

6.フリーランス

独立してフリーランスとして活動することも視野に入れられます。セミナーや講演、従業員指導、経営コンサルティング、さらには執筆活動まで、多彩な分野での活躍が可能です。

スキル次第では、報酬の大幅な向上も期待できるでしょう。

まとめ

男性歯科衛生士には、求人の少なさや偏見といった課題が存在しますが、その一方で男性ならではの特性を活かせる機会も豊富にあります。

将来的には求人の増加やキャリアの柔軟性が期待される中、歯科現場の効率化はますます重要になってくるでしょう。

そのような中、業務の効率化をサポートするクラウド型システム「Apotool & Box for Dentist」が役立ちます。

このツールを活用することで、予約管理や診療後のフォローが一元化され、歯科衛生士は専門業務に集中できる環境が整います。

男性を含む歯科衛生士のキャリアを支援し、業務運営をサポートする「Apotool & Box for Dentist」は、現場の効率化とスタッフの負担軽減に貢献します。

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