Apotool & Box for Dentist

歯医者のキャンセル料はどう請求する?適切な対応と会計処理を解説

コラム

無断キャンセルや直前の予約変更に伴うキャンセル料の取り扱いは、歯科医院の会計管理において非常に重要な課題です。

会計システムやレジを駆使し、正確かつ迅速に処理を行うことはもちろんのこと、患者さんへの丁寧で適切な説明を怠らないことも不可欠です。

本記事では、歯科医院におけるキャンセル料の発生条件や、適切な対応方法について詳しく解説します。

適切な知識を身につけることで、不要なトラブルを防ぎ、患者さんとの信頼関係をより強固なものにしていきましょう。

歯医者のキャンセル料は発生するのか?

患者さんが歯医者を予約したものの、体調不良や急な予定変更などでやむを得ずキャンセルせざるを得ない状況は珍しくありません。

しかし、無断キャンセルや直前のキャンセルが頻発すると、空き枠となった時間や確保していた人員が無駄になり、歯医者側の経営や診療スケジュールに大きな影響を及ぼします。

こうした背景から、近年ではキャンセル料の導入を検討する歯医者も増えています。

ここからは、どのような場合にキャンセル料を請求できるのか、どのような対応が必要なのかを詳しく解説します。

自由診療であればキャンセル料が請求可能な場合がある

歯医者におけるキャンセル料は、診療内容や契約形態によって異なります。

特に自由診療の場合、患者さんと歯医者との間に診療契約が成立していると解釈されるため※1、キャンセル料の請求が可能とされています。しかし、キャンセル料を請求するには、事前の説明と患者さんの同意が必須です。

例えば、カウンセリング時に「無断キャンセルや当日キャンセルには一定のキャンセル料が発生する」と明示し、レセコンやカルテ等に記録しておくことが重要でしょう。

また、消費者契約法※2をはじめとする関連法規の観点からも、社会通念上妥当な範囲での設定が求められます。

※1参照:歯界展望「歯科医師のための法務・税務 Q&A」診療契約の成立 – 医療過誤完全解決

※2参照:消費者庁 第9条(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)

保険診療ではキャンセル料の請求が難しいため、適切な対応が必要

一方、保険診療においては、患者さんの自己負担分は診療行為が実際に行われた場合にのみ発生するため、原則としてキャンセル料を請求することは難しいとされています。

このため、歯医者側は無断キャンセルや当日キャンセルによる損失を最小限に抑えるための対応策を講じる必要があります。

具体的な対応策については、のちほど詳しく解説します。

歯医者のキャンセル料の相場

歯医者においてキャンセル料を設けることは、予約の無断キャンセルや直前の変更を防止することにつながります。

しかし、適正な基準を設けなければ、患者さんの不信感を招く可能性もあります。ここでは、一般的なキャンセル料の相場と、適切な設定方法について詳しく解説します。

キャンセル料の目安

歯医者のキャンセル料は、診療内容やキャンセルのタイミングによって異なります。一般的に、以下のような基準が設けられることが多いです。

  • 前日までのキャンセル…診療費の30~50%を請求
  • 当日もしくは無断キャンセル…診療費の50~100%を請求または、診療予約30分毎に5,000円~を請求

ただし、高額すぎるキャンセル料は消費者契約法※に抵触する恐れがあるため、適正な範囲内で設定する必要があります。

※参考:消費者庁 第9条(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)

キャンセル料金設定の注意点

歯医者のキャンセル料を設定する際は、以下の点に注意が必要です。

合理的な根拠に基づくキャンセル料の設定

予約のキャンセルによって生じる損害を算出し、それに見合った金額を設定することが重要です。単なる罰則ではなく、診療機会の損失や人件費などを考慮し、妥当な額を算出しましょう。

明確な基準を設ける

予約のキャンセル料が適用される基準を明確にし、患者さんに説明することが必要です。例えば、「当日キャンセルは100%請求」「無断キャンセルは次回予約不可」など、具体的なルールを事前に周知しましょう。

社会通念上、妥当な範囲内で請求する

高額すぎるキャンセル料は、患者さんの不信感につながるだけでなく、法的リスクを伴う可能性があります。歯医者のキャンセル料は、あくまで適正範囲で設定し、これらのトラブルを回避することが大切です。

歯医者での会計時のキャンセル料対応について

歯医者でキャンセル料が発生する場合、適切な会計処理が求められます。

レセコンやカルテへ詳細を記録する

キャンセル料が発生した場合、理由や金額、患者さんへの説明内容をレセコンやカルテにしっかり記録しましょう。これにより、後のトラブルを防ぎ、対応がスムーズに進みます。

会計処理の対応について

歯医者のキャンセル料は消費税の課税対象※となる場合があります。税務上の注意点を押さえ、税理士に相談しながら、レジシステムや会計処理を行うことが重要です。

また、会計処理は助成や補助の影響を受ける場合もあるため、適切な操作を行いましょう。キャンセル料に関する会計は慎重に対応し、患者さんに理解してもらえるよう説明を心がけましょう。

※参考:国税局

キャンセル料にまつわるトラブルへの対応策

無断キャンセルや遅刻などの問題に対しては、事前の予防策やポリシーを明確に示すことが重要です。以下に、歯医者のキャンセル料に関連するトラブルへの対応策をいくつか提案します。

▼こちらのコラムも要チェック!

キャンセル率を下げる工夫を徹底する

無断キャンセルや予約の取り消しを最小限に抑えるためには、継続的な工夫が不可欠です。

まず、患者さんが予約を確実に認識し、忘れないようにするために、診察券への診療日時の明記に加え、口頭での復唱確認を徹底しましょう。

▼診察券アプリの導入も効果的です

診察券アプリCTA

さらに、無断キャンセルが発生した場合には速やかにフォローアップを行い、次回の予約時に改めてキャンセルポリシーを丁寧に説明することで、患者さんの意識向上につなげることができます。

加えて、診療の重要性を患者さんに十分に理解してもらうことも、キャンセルの抑制に寄与します。

特に、歯科治療は長期的な計画のもとで進められることが多いため、その必要性や意義を分かりやすく伝えることが重要です。

キャンセルポリシーを明確に提示する

歯医者のキャンセル料に関するポリシーは、事前に患者さんに明確に伝えておくことが重要です。無断キャンセルや遅刻に対するルールをしっかりと定め、患者さんに伝えることで、トラブルを未然に防げるでしょう。

例えば、キャンセル料を課す場合、その金額や発生のタイミングを具体的に示すことで、患者さんが納得しやすくなります。

患者さんには事前の説明を徹底する

歯医者のキャンセル料に関しては、事前に患者さんに説明し、同意を得ることが非常に重要です。口頭での説明に加え、書面で同意を得ることが望ましいです。

例えば、診察券や受付時にキャンセル料の規定について説明し、その内容に患者さんが同意する形式を取ることが、後々のトラブルを防ぎます。

また、院内掲示やウェブサイトへの掲載など、さまざまな方法でキャンセル料の規定を周知することも有効でしょう。

助成や補助制度を活用する

歯医者で発生したキャンセル料の問題を解決するために、助成金や補助金制度を活用することも一つの方法です。国や地方自治体が設けている助成金や補助金を活用することで、経営改善を図ることができます。

これにより、患者さんへの対応がより柔軟に行えるようになり、経済的な負担を軽減することが可能です。特に、経営面での助成や補助が役立つ場面では、積極的に調べて利用することをお勧めします。

▼こちらのコラムも要チェック!

キャンセル防止のための予約システムを活用する

歯医者のキャンセル料のトラブルを減らすためには、予約システムを活用することが効果的です。例えば、Apotool&Box for Dentistなどのシステムを導入することで、以下の対応が可能になります。

リマインダー機能

予約確認メッセージを自動送信し、患者さんのうっかり忘れを防ぎます。

▼リマインダー機能を使えるオプションはこちら

オンライン予約

24時間いつでも予約・キャンセルを受け付け、空き枠を減らします。

▼Apotool&BoxのWeb予約機能

キャンセル待ち機能

患者さんを登録すると、キャンセル発生時に自動で条件に合う患者さんが表示され、空き枠の改善に役立ちます。

▼Apotool&Boxのキャンセル待ち機能

これらのシステムを活用することで、キャンセル率を下げ、キャンセル料が発生するリスクを減らすことができます。

まとめ

歯医者でのキャンセル料は、無断キャンセルや直前変更に対して発生する場合があります。特に自由診療では、事前説明と患者同意を得ることでキャンセル料を請求できるとされています。

保険診療では請求が難しいため、適切な対応が必要です。キャンセル料を設定する際は、法的に妥当な範囲で、明確な基準を設け、患者さんに十分に説明しましょう。

キャンセルのリスクを減らし、スムーズな対応を実現するためには、Apotool&Box for Dentistの予約システムが非常に効果的です。

自動リマインダー機能やオンライン予約、キャンセル待ち機能を活用することで、患者さんのキャンセルを防ぎ、歯医者の運営も効率化できます。詳細はぜひ弊社までお問い合わせください!

詳細はお問い合せください!

Apotool & Box サポートセンター
平日 10:00~18:00
Tel:03-6403-4880
お問い合わせフォームはこちら
電話でのお問合せはこちら
03-6403-4880 月曜日~土曜日 10:00〜18:00(祝祭日・年末年始を除く)