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【セミナー企画連動コラム】組織とスタッフマネジメントの失敗談(前編)

その他

著者情報

濵田 真理子

濵田 真理子

代表取締役

歯科衛生士教育機関を育成するトレーナーとしての教育と研修を受けながら臨床に携わる。
その後女性の起業への理解がまだ少なかった1994年に「歯科業界の中で、疾患を持たない患者が歯科医院に来院し続ける仕組みを作りたい」との思いから、エイチ・エムズコレクションを起業。
歯科医院に対して20年にわたる人材コンサルティングの実績を持ち、歯科医療スタッフ分野における人材育成の先駆者として活躍。

こんにちは!
今回は、10月17日(木)19:30より開催いたします、
「歯科衛生士育成とマネジメントのヒント」セミナーの企画と連動して連載コラムをお届けいたします!

記念すべき第1回目は、H.M’s COLLECTION 代表、一般社団法人エムズワークス 歯科衛生士の濵田真理子様にご執筆いただきました。
それでは、どうぞお楽しみください。


こんにちは。
歯科医療の未来を切り拓く幸せの導師、濵田 真理子(はまだ まりこ)です。
本日は、経営30年の中で発見した心理的安全性の重要性をお伝えします。

◆経営者あるあるのご相談◆

  • 「スタッフがいう事を聞いてくれない」
  • 「何度も何度も同じ間違いをする」
  • 「何度も何度も同じことを伝えても伝わらない」

そんな院長やチーフの悩み事が毎日のように全国から届きます。

実際に到着する相談の8割は即回答で解決できるものです。
1割は私の管轄外です。
0.5割はその他、0.5割は即日訪問またはオンライン即開始の緊急案件です。

【院長から相談されること】

例)2024年1月  メール・電話相談 1か月113件中
1位 人間関係・スタッフ問題      89件
2位 システム導入や育成に関する相談  11件
3位 その他              13件

連絡をしてくる多くの経営者は、

  • 「朝礼は毎日している。」
  • 「毎日の朝礼で理念の浸透を心がけている。」
  • 「使命を伝える1on1面談をしている。」
  • 「食事会も誕生会も開催している。」

それなのにどうにもうまく動いてくれない。
むしろ違う事をするのは何故?と悩まれています。
実は・・・そんな経験・・・私もしました(過去形です)

◆経営者とスタッフの価値観が違うということ◆

単純な事です。
社員と経営者の価値観が違うのは、立場や役割の違いによるものが非常に影響しています。

私は歯科衛生士ですが、会社を経営しはじめて2024年で30年を迎えました。
財団法人日本歯科研究研修協会で研修と臨床を経験した後、活動を開始したのが24歳でした。

起業は簡単でした。
資料を作成し法務局でokをもらう。
社長になるのは簡単でした。

経営をよく理解していなかったのかもしれませんが、
経営面では学びが追いつかないくらい新しい事を習得する日々に追われていました。
歯科衛生士の平均勤続年齢が27歳のその時代、歯科衛生士採用面は黄金時代でした。

難しくてもスタッフマネジメントに課題はほとんどありませんでした。
理由は、自分も起業したばかりで雇用される側の視点を多く持っていたからだと思います。
仲間と共に楽しく働く日々はとても充実したものでした。

しかし、創業5年を超えた2000年前後、歯科衛生士の報酬が高騰しはじめました。

組織運営面ではスタッフの人数が増えたという理由で社労士からの指摘で、
該当者は全員社保完備が必須になりました。

素敵なスタッフに囲まれてはいるけれど・・・

  • 事務所の家賃
  • スタッフの社保や福利厚生費用
  • 売上関係なく支払う約束の費用など

経営を続けるというのはとても難しいと感じる機会が増えるようになりました。

例)給料日
私も仲間と同じ歯科衛生士ですが・・・
給料日には銀行残高は関係なく会社の口座からお金が消えていきました。
鳥インフルエンザや自然災害の時は、どんなにみんなで頑張っても、
組織を健全に運営させる費用が不足することもありました。
それでも経営者の役割として、給料未払いなんてことは一度もないように頑張ってきました。

仕事の相談は増える一方でしたが・・・
難しい、無理かな?と苦戦する事もありました。
仕事の依頼は続々増えているけれど、その仕事に相応しい能力がある人が不足している状態。

クライアントからの報酬は何も変わらないのに、
スタッフの報酬は高騰し続ける事で安心経営のための運用費の激減。

純利益は減る中でスタッフの経営の使う費用も倍増など・・・
何度も自分の力不足もあり数か月は持つかな?
という怖い想いの中で倒産の危機を超えてきました。

例)立場
価値観が違うのが当たり前と気がついた出来事があります。
次男の出産の機会にそれを痛感する出来事がありました。
会社はいつでも誰にでも継承できるようにと、現在でも無借金経営を意識して運営しています。

誰か社長になっても私が裏方でいる限り、細かな仕事を負担させることはありません。
むしろ決定権を持ちやりたいことがやれるというポジションになれる筈の代表の交代提案。
当時の役員に提案したところ・・・
「みんなの為に謝るのは嫌。責任がないから自由に仕事ができている。社長になるなら辞める。」
と言われました。
借金もないし、既に仕事もそれなりにあるしなんでこうなる???

そこから、雇用される側の視点や違いを理解しあうことを目的の会話の機会を意識するようになりました。

経営者や経営側視点のあるリーダーは、
医療機関の円満経営や長期的な成長・戦略に焦点を当て、リスクも負う覚悟で日々仕事に取組んでいます。

これに対し、
スタッフは自分の仕事や目の前の課題に集中して安定した生活や仕事のやりがいを重視します。
立場が違うと正義も変わるという言葉を母から教えてもらいました。
開業するのは簡単でも、経営を円満にし続けるって色々創意工夫の連続ですね。

今回はここまでです。今回のコラムの何かが先生方の未来のヒントになりますよう。
歯科に関わる全ての人が自己理解を深め、成長を続け、その人にとっての幸せな医療人としての人生を歩めますよう。
歯科医療の未来を切り拓く幸せの導師 濵田真理子でした🍒

次回は、「組織とスタッフマネジメントの失敗談 ~どう取り組んで解消していったのかを具体的にお伝えしていきます~」の後編です。


10月17日(木)19:30からオンラインセミナーで、
令和styleの歯科衛生士育成について濵田真理子様にお話していただきます。
セミナーでは質疑応答の時間も設けておりますので、
ぜひこちらのページより参加申し込みへお進みください。

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