【歯科の自費率を増やす方法】自費診療向上の経営メリットからトラブル回避術まで解説
競争が激化する現代において自費診療を増やすことは、歯科医院の経営を安定させ、収益性を向上させる鍵です。この記事では、自費率を高めるメリットから、自費率を増やす施策まで解説します。
歯科医院の持続的成長と繁栄を実現するために、戦略的なアプローチとしてぜひご参考ください。
歯科医院における自費率の割合と今後の展望
歯科医院の自費率の割合は概ね21%程度
歯科医院の収益構造における自費率の割合は、着実な増加傾向を見せています。
第24回医療経済実態調査(令和5年実施)※1によると、全国の歯科診療所における自費率の割合は21.4%※1を占めており、一方で保険診療収益は全体の76.1%となっています。
過去のデータを振り返ると、平成25年時点では自費率(その他の診療収益)の割合が15.7%※2、保険診療が82.5%※2を占めていました。
これが令和元年にはそれぞれ18.4%、77.7%※2、令和5年には21.4%、76.1%※1と推移しており、自費率が確実に拡大していることが分かります。
※1参照:第24回医療経済実態調査(令和5年実施)
※2参照:第19回、第22回医療経済実態調査報告
歯科医療の現状と今後について
自費率の増加傾向は、患者さんの多様化するニーズや審美歯科の普及、高度治療への関心が高まる一方、保険診療がカバーする治療範囲や報酬点数の制約が限界に達していることを示しているといえるでしょう。
保険診療が依然として重要な基盤であることに変わりはありませんが、自費率の拡充は歯科医院の競争力を高め、経営の安定化に向けた不可欠な要素として注目されています。
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自費診療向上による4つの経営メリット
自費率の向上は、歯科医院の経営において多岐にわたるメリットをもたらします。ここでは、その中でも特に重要な4つのポイントについて詳しく解説します。
1.経営の安定化と収益性の向上
自費診療は、保険診療に比べて高い利益率を誇ります。保険診療の収益には診療報酬点数という制約があり、限られた範囲内での経営が求められます。
一方で、自費診療は料金設定に柔軟性があるため、治療内容や患者ニーズに応じて適切な価格を設定可能です。これにより、収益構造を多様化させることで経営基盤を強化し、長期的な安定が見込まれるでしょう。
2.競合他院との差別化
近年、多くの患者さんが「質の高い医療」や「審美的な治療」を求めるようになり、自費診療の提供が他院との差別化に直結しています。
例えば、インプラントやセラミック治療といった自費診療を揃えることで、地域内での競争優位性を確立できるでしょう。また、これらのサービスをPRすることで、新規患者さんの集患にも効果的です。
3.患者満足度の向上
自費診療の充実は、患者さんの多様なニーズに応えるための重要な手段となります。特に、保険診療では対応が難しい審美的な要求や、快適性を重視した治療内容に応えることで、患者満足度を高めることが可能です。
満足度の向上は口コミやリピーターの増加を促し、結果として歯科医院全体の評価向上にもつながることでしょう。
4.スタッフのモチベーション向上
自費診療は、歯科スタッフにとっても新しいスキルや知識を習得する機会となり、仕事への充実感を高める要因となります。
また、自費治療の成約に応じたインセンティブ制度を導入することで、スタッフのやる気を引き出し、職場全体の活性化を図ることができます。
自費率を増やすための効果的な5つの方法
次に、歯科医院が自費率を効果的に増やすために実施すべき具体的な方法を見ていきましょう。
1.患者さんとのコミュニケーション強化
自費率を増やすためには、まず患者さんとの信頼関係を築くことが不可欠です。自費診療はその特性上、保険診療とは異なり、治療内容や料金に対して患者さんに十分な納得感を与える必要があります。
患者さんが理解しやすい形で伝える方法を工夫し、その上で自費診療がどのように患者さんのニーズを満たすかを合理的に説明しましょう。患者さんが自分の意思で納得し、選択できるようにすることが何よりも重要です。
2.自費診療のメリットに対する真摯な説明
自費診療の大きなメリットは、機能性と審美性を両立させた治療が提供できる点です。例えば、セラミックやジルコニアを用いた補綴物は、耐久性と美しさを兼ね備え、歯茎との適合性も優れています。
このように、患者さんに対して自費治療の価値を分かりやすく伝えることで、より多くの患者さんが積極的に自費診療を選ぶよう促すことができるでしょう。
3.多様化するニーズへの柔軟な対応
自費率を増やすには、常に治療の質を高めることが求められます。新たな治療方法や技術の導入を通じて、患者さんにとって魅力的な選択肢を提供し続けることが重要です。
例えば、インプラント治療にデジタル技術を駆使した精密な手法を導入することや、マイクロスコープを使った精密治療を行うことで、他の医院との差別化を図り、患者さんがその価値を理解しやすくなります。
これにより、患者さんが自費診療を選ぶ動機付けが強化されることでしょう。
4.広告宣伝の積極的な活用
自費率を増やすためには、院内だけでなく外部への情報発信も重要です。自院のホームページやSNS、そしてSEO対策を活用した効果的な方法で、自費診療のメリットや特徴を効果的に伝え、患者さんの関心を引きましょう。
患者さんがオンラインで検索する際に、自院が上位に表示されるようにすることで、より多くの集客が見込めます。
5.情報提供ツールで自費診療の認知拡大
自費診療を広く認知させるためには、情報提供ツールを積極的に活用することが求められます。患者さんに自費診療を選んでもらうためには、治療結果の違いや、保険診療との比較を明確に示す資料を提供することが効果的です。
実際の症例写真や患者さんの体験談をビジュアルコンテンツとして使用することで、治療内容が具体的に伝わりやすくなります。これにより、患者さんが自費診療に対する理解を深め、選択を後押しすることができるでしょう。
自費診療トラブルを防ぐための4つの方法
自費診療の導入を進めるなかで、患者さんとのトラブルの発生は十分に考えられます。
トラブルを未然に防ぐことは経営の安定に直結します。患者さんとの信頼関係を築き、トラブルを防ぐために有効な4つの方法をご紹介します。
1.患者ファーストの姿勢を貫く
自費診療を進める際に特に大切なのは、患者さんの利益を最優先に考えたアプローチです。
利益追求に偏ることなく、患者さんにとって最適な治療を提案する方法を模索し、実践することで信頼を築き、長期的な患者満足度向上を促進します。
2.明確な料金説明と治療内容の提示
治療費や治療内容については、事前に明確に説明することが不可欠です。患者さんが後で「聞いていない」「予想以上に高かった」と感じることがないよう、詳細な料金表や治療内容をしっかり伝えましょう。
これにより、トラブルを避けると共に、患者さんの納得度がより高まります。
3.各種資料の用意と提供
患者さんが自費診療を選ぶ際に不安を抱かないよう、治療内容や費用に関する資料を用意し、軽い提案の段階で価格表のお渡しとともに治療の流れを説明することが大切です。
文書やパンフレットで具体的な情報を提供することで、言った・言わないのトラブルを防ぎ、透明性を確保しましょう。
4.アフターケアの徹底
治療後のフォローアップは、患者さんの満足度を保ち、信頼関係を深める重要な要素です。
治療後に患者さんが抱える疑問や不安を早期に把握し、丁寧に解消することで安心感を提供しましょう。再訪や口コミによる新たな患者獲得にもつながります。
まとめ
令和5年時点での歯科医院の自費率は約21%で、着実に増加しています。自費診療を増やすことで、経営の安定化と患者満足度の向上にも寄与することでしょう。
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現在の院内業務の改善・効率化を含めた戦略的なアプローチで、持続的な成長を目指しましょう!
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